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休眠届(異動届出書)の出し方と休眠中の税務申告

事業を一時的に止める「休眠」を選ぶ場合、解散・清算とは異なり登記は不要ですが、税務上の届出と申告については一定の手続きが必要です。「休眠届を出せば何もしなくてよい」と誤解されがちですが、原則として申告義務は続きます。ここでは異動届出書の提出先と、休眠中の申告・均等割の取り扱いの考え方を中立的に整理します。具体的な要件は自治体や状況で異なるため、目安としてご覧ください。

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「休眠届」とは――異動届出書のこと

休眠届(異動届出書)の位置づけ

会社を休眠させる際に提出するのは、専用の「休眠届」という独立した様式ではなく、一般に異動届出書を用い、休眠(事業を休止する旨)を記載して届け出る形が一般的です。これにより、行政側に「現在事業を行っていない」状態を伝えます。様式名や記載欄の名称は提出先により異なる場合があり、自治体によっては独自の「休業届」「休眠に関する届出書」を別途求めることもあるとされています。

異動届出書は、本来は本店移転・商号変更・事業年度変更・解散などの「異動」があった際に提出する書類です。休眠もこの「異動」の一類型として扱われることが多く、届出そのものに手数料はかからないのが一般的です。休眠は登記事項ではないため、法務局での登記手続きは原則不要で、あくまで税務上の届出が中心になる点が解散・清算との大きな違いです。

異動届出書に記載する主な項目(書き方の考え方)

異動届出書に何をどう書くかは、提出先の様式によって細部が異なりますが、一般的には次のような情報を記載することが多いとされています。実際の記入にあたっては、各窓口の最新様式と記載要領を確認してください。

「いつから休眠か」という日付は、均等割の取り扱いや申告の要否にも関わり得るため、事実に沿って正確に記載することが基本と考えられます。判断に迷う欄がある場合は、空欄のまま提出せず、窓口や税理士に確認してから記入する方が安全です。

異動届出書の提出先は3か所が基本

国・都道府県・市区町村の3系統

法人に関する税は国・都道府県・市区町村に分かれているため、届出も複数の窓口が対象になるのが一般的です。

提出先主な対象備考
税務署法人税など国税異動届出書を提出
都道府県税事務所法人事業税・法人住民税(都道府県分)均等割の取り扱いを確認
市区町村役所法人住民税(市区町村分)東京23区は都税事務所が窓口

提出先や必要書類、部数は自治体によって運用が異なる場合があるため、事前に各窓口へ確認すると安心です。窓口へ持参するほか、郵送やeLTAX(地方税ポータル)・e-Taxによる電子提出に対応しているケースもあります。控えを保管しておくと、後日の確認や再開時の手続きで役立つことがあります。

異動届出書を提出するタイミング

異動届出書の提出時期については、事業を休止した後、速やかに届け出るのが基本的な考え方です。税務署への異動届出書は「異動があった場合に遅滞なく提出する」とされるのが一般的で、地方税についても事業年度や賦課期日との関係で提出時期が意味を持つ場合があります。

とくに均等割は、事業年度や自治体の定める基準日をまたぐかどうかで取り扱いが変わり得るとされています。届出が遅れると、休止していた期間についても課税が続いてしまう場合があるため、休眠を決めた段階でスケジュールを確認しておくとよいでしょう。具体的な期限や締め切りは、確定額ではなく目安として各窓口に確認することをおすすめします。

休眠中でも税務申告は原則必要

「届出を出せば申告不要」ではない

休眠届(異動届出書)を出しても、法人が存続している以上、原則として法人税・地方税の確定申告は必要とされています。事業をしていなくても、「申告すべきものがない」ことを示すために申告を行うのが基本的な考え方です。申告を続けることで、青色申告の取り消しや無申告のペナルティを避けやすくなると説明されることが多いです。所得がなければ法人税額は生じないのが一般的ですが、資産の売却益や受取利息などが発生すれば課税対象になり得るため、判断は税理士に確認することをおすすめします。

申告を続けておく実務上の意味

毎期の申告を続けておくと、欠損金の繰越や青色申告の承認を維持しやすく、再開時や整理時に手続きを進めやすいという見方があります。逆に、申告を止めてしまうと、後から過去分をまとめて対応する負担が生じることもあります。休眠中であっても、記帳と申告の最低限のリズムを保っておくことが、結果的に手間とコストの抑制につながる場合があります。

休眠届と均等割免除の関係(自治体差に注意)

免除・減免は自動ではない

法人住民税には、所得がなくても課される「均等割」があります。ただし、事業を完全に休止していることを自治体が確認できる場合、休眠期間中の均等割が免除・減免される取り扱いを設けている自治体があります。これは自動的に適用されるものではなく、所定の届出や申請、事業休止の証明が求められるのが通常です。届出を出しただけで当然に免除されるとは限らない点に注意が必要です。

ポイント:均等割の減免の有無・要件・手続きは自治体ごとに異なります。「休眠にすれば必ず均等割がゼロになる」とは限りません。お住まいの都道府県税事務所・市区町村に必ず確認してください。

免除・減免を受けられる場合でも、対象となるのは休止期間に対応する部分に限られたり、事業年度単位で判定されたりするなど、条件は一様ではありません。「均等割がかからないと思い込んでいたら課税されていた」という行き違いを避けるためにも、休眠を決める前に窓口で取り扱いを確認しておくことが望ましいと考えられます。

届出・申告を怠るとどうなるか

放置がまねく主な不利益

休眠の届出や申告を放置すると、次のような不利益につながるおそれがあります。

休眠は「手続きをして初めて整う」状態です。届出と毎年の申告を確実に行い、再開時や整理時にスムーズに動けるようにしておくことが大切です。手続きの要否や進め方に迷う場合は、まず自社の状況を整理し、専門家や相談窓口に確認してから判断することをおすすめします。

再開・整理の手続きとの関係

休眠を解除して事業を再開する場合

休眠していた会社の事業を再開するときは、休眠時と同様に、税務署・都道府県・市区町村へ事業を再開する旨の異動届出書を提出するのが一般的です。再開後は通常どおり申告・納税の義務が生じます。休眠中も申告を続けていれば、青色申告の承認や欠損金の状況を把握しやすく、再開の立ち上がりがスムーズになりやすいと言われています。

そのまま解散・清算へ進む場合

再開の見込みが立たない場合は、休眠のまま持ち続けるのではなく、解散・清算という選択肢を検討する余地もあります。解散・清算は登記や公告を伴う手続きで、休眠とは費用・手間の性質が異なります。休眠を続けるか、整理に進むかは、均等割などの継続コストと手続き負担を比べたうえで判断するのが現実的です。どの道が自社に合うかは状況によって異なるため、専門家や相談窓口の活用も一つの方法です。

よくある悩み・ご相談(休眠届・休眠中の申告について)

休眠届(異動届出書)や休眠中の申告をめぐっては、次のような声・相談が見られます。いずれも特定の個人を指すものではなく、一般的に多い悩みとして整理したものです。

こうした悩みは、提出先・提出時期・均等割の取り扱いを一度整理し、自治体の運用を確認することで解きほぐしやすくなります。判断を急ぐ必要はありませんが、休止のタイミングと届出のタイミングを合わせて把握しておくこと自体が、余計な負担を避ける助けになります。

よくある質問(FAQ)

Q. 休眠届と異動届出書は違う書類ですか?

A. 多くの場合、独立した「休眠届」という様式はなく、異動届出書に事業を休止する旨を記載して届け出る形が一般的です。ただし自治体によっては独自の休業に関する様式を求めることもあり、取り扱いは提出先によって異なります。

Q. 異動届出書はどこに提出しますか?

A. 一般に、税務署(国税)・都道府県税事務所・市区町村役所の3か所が基本です。東京23区は都税事務所が窓口になります。必要書類や部数は自治体で運用が異なるため、事前の確認をおすすめします。

Q. 休眠中は税務申告をしなくてよいのですか?

A. 法人が存続している以上、原則として法人税・地方税の申告は必要とされています。所得がなくても申告を続けることで、青色申告の維持や無申告ペナルティの回避につながりやすいと説明されます。具体的な要否は税理士にご確認ください。

Q. 休眠にすれば均等割は必ずゼロになりますか?

A. 必ずゼロになるとは限りません。事業休止を確認できる場合に均等割を免除・減免する自治体もありますが、自動適用ではなく届出や証明が必要で、要件は自治体ごとに異なります。お住まいの窓口に必ず確認してください。

Q. 事業を再開するときはどうすればよいですか?

A. 休眠時と同様に、税務署・都道府県・市区町村へ事業を再開する旨の異動届出書を提出するのが一般的です。再開後は通常どおり申告・納税の義務が生じます。手続きの詳細は各窓口や専門家にご確認ください。

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※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、税務・法務上の助言ではありません。制度や税率は改正される場合があり、個別の判断はお客様の状況により異なります。最新の取り扱い・具体的な手続きは、税理士・司法書士・弁護士など専門家にご確認ください。当窓口は名義貸し・架空売上など違法行為の募集・あっせんは一切行いません。