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休眠会社で申告しないとどうなる?無申告のペナルティと時効

「事業を止めているのだから、申告もしなくていいはず」――使っていない会社や休眠会社を持つ方から、よく聞かれる考え方です。しかし法人が登記上存続している限り、原則として申告義務は続きます。申告をやめて放置すると、無申告加算税・延滞税・青色申告の取消・将来のまとめ課税といった不利益が積み重なることがあります。この記事では「申告しないと何が起きるのか」を中立的に整理します。税率や要件は改正・自治体差があるため、確定額ではなく目安としてご覧ください。

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まず前提:休眠でも「申告義務」は原則続く

会社を休眠させても、解散・清算をして登記簿を閉じない限り、その法人は法律上「存在し続けている」状態です。そのため、原則として法人税・地方税の確定申告は必要とされています。事業をしていなくても、「申告すべき所得がない」ことを示すために申告を行うのが基本的な考え方です。所得がなければ法人税額は生じないのが通常ですが、資産の売却益や受取利息などがあれば課税対象になり得ます。

「休眠届(異動届出書)を出せば申告も不要になる」というのは、よくある誤解です。届出はあくまで「事業を休止した」ことを伝えるもので、申告義務そのものを消すものではありません。申告を続けているかどうかは、後述する青色申告の維持や無申告ペナルティの有無に直結します。

ポイント:「休眠=何もしなくていい」ではありません。休眠は届出と毎年の申告を続けて初めて整う状態です。手続きの要否は状況により異なるため、税理士など専門家に確認しておくと安心です。

申告しないと起きること①:無申告加算税

本来の税金に「上乗せ」される罰則的な税

期限までに申告をしなかった場合、本来納めるべき税金に加えて無申告加算税が課されることがあります。これは、期限内にきちんと申告した人との公平を保つための、いわばペナルティ的な税です。近年は高額・繰り返しの無申告に対して重くする方向で見直しが進んでいます。

令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税については、税務調査を受けた後に期限後申告をした場合、納付すべき税額のうち次の割合が目安とされています。

納付税額の区分無申告加算税の割合(目安)
50万円までの部分15%
50万円超〜300万円までの部分20%
300万円を超える部分30%

一方、税務調査の事前通知を受ける前に、自主的に期限後申告をした場合は、割合が5%に軽減されるとされています。つまり「気づいた時点で自分から申告する」のと「調査で指摘されてから申告する」のとでは、負担が大きく変わり得るということです。さらに、過去に無申告を繰り返しているなど一定の場合には、割合が上乗せ(加重)される取り扱いもあります。事実を仮装・隠蔽するような悪質なケースでは、無申告加算税に代えてより重い重加算税が課されることがあります。

注意:ここに示した割合は改正・状況により変わり得る目安です。実際の金額は納税額や事案によって異なります。具体的な計算は税理士にご確認ください。

申告しないと起きること②:延滞税

納めるべき税金の納付が遅れると、無申告加算税とは別に延滞税がかかります。これは、納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて加算される、利息に近い性質の税です。税率は年によって見直されるため一律ではありませんが、納付が遅れるほど、また金額が大きいほど積み上がっていきます。「申告も納付も後回し」にしていると、本来の税額に加えて加算税と延滞税が重なり、最終的な負担が想定より膨らむことがあります。

申告しないと起きること③:青色申告の取消

2期連続の無申告・期限後申告が分かれ目

法人の場合、2事業年度連続して提出期限内に確定申告書の提出がないと、その2期目以後の事業年度について青色申告の承認が取り消される取り扱いがあるとされています。青色申告が取り消されると、次のような特典が使えなくなり得ます。

休眠中は「どうせ赤字だから関係ない」と感じるかもしれません。しかし、将来事業を再開して黒字が出たときに、過去の赤字(欠損金)を使って節税できるかどうかは、青色申告を維持できているかに左右されます。休眠中でも最低限の申告を続けておく意味は、ここにもあります。

申告しないと起きること④:時効(除斥期間)は当てにできない

「何年か申告しなければ、そのうち時効で消えるのでは」と考える方もいますが、これは誤解を招きやすい発想です。税務署が課税処分(更正・決定)を行える期間は除斥期間と呼ばれ、法人税では原則5年とされています。さらに、「偽りその他不正の行為」により税を免れたと判断される場合は7年まで延長され、欠損金に関わる部分はより長期(10年)とされます。

つまり、申告をしないまま放置しても税負担が自動的に消えるわけではなく、後から過去分をまとめて課税され、そこに加算税・延滞税が重なるという展開があり得ます。「放置すれば有利」ではなく、早く整えるほど負担を抑えやすいのが実務上の基本的な考え方です。

見落としがちな均等割:申告しなくてもかかる

ここまでは「申告に関わる」ペナルティの話でしたが、法人住民税の均等割は少し性質が異なります。均等割は所得ではなく資本金等や従業者数を基準に課されるため、赤字でも、そして申告の有無にかかわらず、原則として賦課され得ます。休眠中も登記が残る限り、均等割の負担が毎年続く場合があります。

ただし、事業を完全に休止していることを自治体が確認できる場合に、均等割を免除・減免する取り扱いを設けている自治体もあります。これは自動適用ではなく、届出や証明が必要で、要件は自治体ごとに異なります。「休眠にすれば均等割は必ずゼロ」とは限らない点に注意してください。

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「気づいたら数年分ためていた」ときの考え方

実際には、「何年も申告していないことに後から気づいた」というご相談は少なくありません。こうした場合でも、放置を続けるより、できるだけ早く現状を整理して自主的に申告する方が、加算税の割合が軽くなりやすいなど、結果的に負担を抑えられる可能性があります。過去分の申告は手間がかかりますが、専門家に依頼して進めるのが現実的です。

同時に、そもそも「この会社を今後どうするのか」を決めることが、無駄なコストを止める近道になります。使い道がないまま毎年の均等割と申告負担だけが続くのであれば、解散・清算で区切りをつける選択肢もあります。逆に、許認可・法人口座・社歴などの資産が残っているなら、正式な事業提携で活かす道もあります。判断の前に、まず選択肢を並べて比較するのがおすすめです。

放置・解散・活用、どれが損が少ない?

無申告リスクを避ける最終的なゴールは、「会社の状態を決めきる」ことです。次のように、状況によって最適な道は変わります。

どの道が自社に合うかは、資本金・資産・意向によって異なります。放置して加算税や均等割を払い続けるより、一度立ち止まって整理する方が、結果的に損が少なくなることが多いと考えられます。

よくある質問(FAQ)

Q. 休眠会社でも税務申告は必要ですか?

A. 法人が登記上存続している以上、原則として法人税・地方税の確定申告は必要とされています。所得がなくても「申告すべきものがない」ことを示すために申告を行うのが基本的な考え方で、申告を続けることが青色申告の維持や無申告ペナルティの回避につながりやすいと説明されます。具体的な要否は税理士にご確認ください。

Q. 無申告加算税はどのくらいかかりますか?

A. 令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税では、税務調査を受けた後の期限後申告で、納付税額のうち50万円までの部分に15%、50万円超300万円までに20%、300万円超に30%が課されるのが原則とされています。税務調査の事前通知前に自主的に期限後申告した場合は5%に軽減されます。過去に無申告を繰り返している場合などはさらに加重される取り扱いがあります。実際の金額は状況により異なるため税理士にご確認ください。

Q. 申告していなければ時効で税金は消えますか?

A. 消えるとは限りません。税務署が課税処分を行える期間(除斥期間)は法人税の更正・決定で原則5年、「偽りその他不正の行為」があった場合は7年とされ、欠損金に関わる部分はさらに長期(10年)とされます。「申告していないから時効で消える」という考え方は誤解を招きやすく、後からまとめて課税・加算されるリスクがあります。

Q. 無申告が続くと青色申告は取り消されますか?

A. 法人の場合、2事業年度連続して提出期限内に確定申告書の提出がないと、2期目以後の事業年度について青色申告の承認が取り消される取り扱いがあるとされています。取り消されると欠損金の繰越控除など青色申告の特典が使えなくなり、取消の通知日から一定期間は再申請ができないとされています。詳細は税理士にご確認ください。

Q. 赤字や休眠なら均等割もかからないのでは?

A. 均等割は所得ではなく資本金等や従業者数を基準とするため、赤字でも原則として課されます。休眠中も登記が残る限り課税が続く場合があり、申告の有無にかかわらず賦課され得ます。ただし事業休止を自治体が確認できる場合に免除・減免する取り扱いもあり、要件は自治体ごとに異なります。

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※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、税務・法務上の助言ではありません。制度や税率は改正される場合があり、個別の判断はお客様の状況により異なります。最新の取り扱い・具体的な手続きは、税理士・司法書士・弁護士など専門家にご確認ください。当窓口は名義貸し・架空売上など違法行為の募集・あっせんは一切行いません。