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役員変更の登記を放置すると過料?休眠会社の登記懈怠リスクと対処法

「事業を止めているのだから、登記もそのままでいい」――使っていない会社や休眠会社を持つ方が見落としがちなのが、役員変更の登記です。会社が登記上存続している限り、役員の任期は満了し続け、その都度の変更登記が必要とされます。これを放置すると、会社ではなく代表者個人に過料が科される可能性があります。この記事では、登記懈怠の過料・重任登記・みなし解散の関係を中立的に整理します。制度は改正され得るため、確定的な結論ではなく目安としてご覧ください。

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まず前提:休眠でも「役員の任期」は満了し続ける

会社を休眠させても、解散・清算をして登記簿を閉じない限り、その法人は法律上「存在し続けている」状態です。役員(取締役・監査役)の任期は、事業をしているかどうかに関係なく進行し、満了します。任期が満了すれば、同じ人が続けて役員を務める場合でも、「重任」という変更登記が必要になります。

会社法では、登記事項に変更が生じたときは、原則としてその事由が発生した時から2週間以内に、本店所在地で変更登記をしなければならないとされています(会社法第915条第1項)。「役員が変わっていないから登記も不要」と考えてしまいがちですが、任期満了・再任という事実が生じている以上、登記が必要とされる点に注意が必要です。

ポイント:非公開会社(株式に譲渡制限のある会社)では、定款で役員の任期を最長10年まで伸ばせます。任期を10年にしていると登記の頻度は下がりますが、満了時の登記義務がなくなるわけではありません。「前回いつ登記したか」を把握しておくことが大切です。

放置すると起きること①:登記懈怠の過料

会社ではなく「代表者個人」に科される

登記すべき期間内に登記申請を怠った場合、その登記を怠った代表者個人が、裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があるとされています(会社法第976条第1号)。ここで見落としやすいのは、過料が会社の経費ではなく、代表者個人の負担になるという点です。休眠中で会社に売上がなくても、代表者のもとに過料の通知(過料決定)が届くことがあります。

過料は、忘れていた登記をまとめて申請したタイミングなどで、裁判所から通知される流れが一般的とされています。「登記をすれば過料が来るなら、しない方がいい」と考えるのは逆効果で、放置が長いほど、後述するみなし解散のリスクも含めて不利になりやすいと考えられます。

注意:過料の実際の金額は、懈怠していた期間の長さなどを踏まえて裁判所が個別に決定します。法律上の上限は100万円ですが、実際の金額はこれより低くなることも多いとされ、事案によって幅があります。ここでは特定の金額は保証できませんので、目安としてご理解ください。

放置すると起きること②:重任登記の“うっかり”に注意

登記懈怠でとくに多いのが、重任登記の忘れです。役員の顔ぶれが何年も変わらない会社では、「登記することがない」と感じてしまいがちですが、任期が満了するたびに重任の登記が発生しています。とりわけ、任期を2年のままにしている会社では、2年ごとに登記が必要になり、うっかり放置しているうちに何期分も溜まってしまうことがあります。

また、代表者の住所変更や商号・本店移転なども変更登記の対象です。休眠中であっても、こうした変更があれば2週間以内の登記が必要とされます。「動いていない会社」であっても、登記のメンテナンスは止まらない、と考えておくと安全です。

放置すると起きること③:長期放置は「みなし解散」へ

登記の放置がさらに長期化すると、過料とは別の重い問題が生じます。株式会社について最後の登記から12年を経過すると、法務大臣の公告や通知を経て、一定の手続をとらない会社は「みなし解散」の登記がされる取り扱いがあります。解散扱いになると、そのままでは事業を続けられず、復活(会社の継続)には別途の手続が必要になります。

つまり登記の放置は、①代表者個人への過料と、②みなし解散という二重のリスクを抱えることになります。「使っていないから登記も不要」という感覚のまま放置するほど、後の手間とコストが増えやすい構造です。みなし解散の詳細は関連記事で解説しています。

過料を防ぐには:任期の把握と早めの整理

登記懈怠の過料を避けるための基本は、シンプルです。

すでに何期分か溜まっている場合でも、放置を続けるより、早めにまとめて登記を整える方が、みなし解散のリスクを避けられ、結果的に負担を抑えやすいと考えられます。過料が科されるとしても、登記を整えないままでいることのリスクの方が大きくなりがちです。

そもそも、この会社を続ける必要はある?

登記の維持には、司法書士報酬や登録免許税などの実費がかかります。さらに休眠中でも、法人住民税の均等割や毎年の申告義務は原則続きます。「使う予定がないのに、登記も税金も維持し続けている」状態であれば、一度立ち止まって会社をどうするかを決めることが、無駄なコストを止める近道になります。

使い道がないなら解散・清算で区切りをつける、許認可・法人口座・社歴などの資産が残っているなら正式な事業提携で活かす――いずれにしても、登記・税金の維持コストと比較して判断するのが現実的です。

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放置・解散・活用、どれが損が少ない?

登記懈怠の過料もみなし解散も、根本の対策は「会社の状態を決めきる」ことです。状況によって最適な道は変わります。

どの道が自社に合うかは、資本金・資産・意向によって異なります。登記を放置して過料やみなし解散のリスクを抱え続けるより、一度整理する方が、結果的に損が少なくなることが多いと考えられます。

よくある質問(FAQ)

Q. 休眠会社でも役員変更の登記は必要ですか?

A. 必要とされる場合があります。会社を休眠させても登記簿は残るため、役員の任期は満了し続けます。任期満了により役員が退任・重任したときは、原則として事由発生から2週間以内に変更登記をしなければならないとされています(会社法第915条第1項)。事業を止めていても、この登記義務がなくなるわけではありません。

Q. 登記を放置すると誰にいくらの過料がかかりますか?

A. 登記すべき期間内に登記申請を怠った場合、登記を怠った代表者個人が、裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があるとされています(会社法第976条第1号)。過料は会社の経費ではなく代表者個人に科されるのが原則です。実際の金額は懈怠の期間などを踏まえて裁判所が個別に決定するため、確定額ではありません。

Q. 「重任」の登記とは何ですか?

A. 取締役などが任期満了で退任し、時間を空けずに同じ人が再任されることを、登記実務上「重任」といいます。役員が変わらない場合でも、任期満了・再任という事実が生じているため変更登記が必要とされ、これを怠ると登記懈怠として過料の対象になり得ます。役員が同じだからといって登記が不要になるわけではありません。

Q. 役員の任期は何年ですか?

A. 取締役の任期は原則2年、監査役は原則4年とされますが、株式の譲渡制限を定める非公開会社では、定款で定めることにより最長10年まで伸長できるとされています。任期を10年にしていても、満了時には重任などの変更登記が必要になる点は変わりません。

Q. 登記を12年放置するとどうなりますか?

A. 株式会社について最後の登記から12年を経過すると、法務大臣の公告や通知を経て、一定の手続をとらない会社は「みなし解散」の登記がされる取り扱いがあります。解散扱いになると事業の継続に支障が生じ、復活には別途手続が必要です。長期の登記放置は過料だけでなく、みなし解散のリスクにもつながります。

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※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、税務・法務上の助言ではありません。制度や取り扱いは改正される場合があり、個別の判断はお客様の状況により異なります。登記・過料・任期に関する具体的な手続きは、司法書士・弁護士など専門家にご確認ください。当窓口は名義貸し・架空売上など違法行為の募集・あっせんは一切行いません。